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※このコメントにはネタバレが含まれています。

12巻から続く長編の完結巻。この巻の初版が2006年で、確か対テロ戦争が始まってしばらくたってたかな?
何度か読み返してますが、2023年に改めて読んで、現実の世界と日本の情勢についても本当にいろいろと考えさせられました。戦後の日本は少なからず戦争放棄を謳って目指していたと思うけど、実際にはこの話の舞台である国のようにはなかなかいかないし、フランチェスカのような選択と覚悟は難しいのでしょう。ファサードが見た時空の中で最も光を感じられる世界に向かう選択は、戦争や武力ありきの考え方では辿り着けないだろうと思います。人間は、せっかく言葉を持ち思考することができるんだから、まず対話を、とする自分でありたいし、黙ってないで声をあげていきたい。声をあげていける国であって欲しいです。自由に発言できず、国民の意見が無視されるような国にはなってほしくないですよね。というようなことを、読みながら考えました。この結末が正しいか正しくないかではなく、子供達にとって良い未来とは何か?を考えたい。とても辛い話なんだけど、今この時代だからこそ多くの人に読んで、自分ならどうするか、を考えてもらいたい話です。