ミニョン

3巻完結、面白かったです。基本、主人公リアン目線で話が進みますが、テンパると語彙力に難ありな所が拙いというか鈍臭いというか…本人的にはあれでしっかりしてるつもりなんだろうなと、微笑ましく映りました。

逆に時々入る視点変換の章でアルフレド目線の時は、自他共に内面・外面の変化をよく見ていて気がつくし、相手(リアン)を尊重した大人な対応ができていて頼もしかったです。リアンとしては不本意でしょうけど、年齢的に逆転している気がしました。

二人に関しては「何がどうして、いつから、どこからこうなったのか分からない」というのは、リアンは予定と違って焦っていましたが、つまり「それくらい自然な流れだった」ということで相性の良いカプということだし、いかにお似合いの二人かという事でもあると思うのですが…中身は大人なのに全然気がついてないリアンのあたふたする様子が楽しかったです。

ストーリー全体としては、承の占める割合が多いかなと思います。感覚的にまるっと2巻と3巻の途中まで下準備が続くイメージでした。評価が高いだけあって退屈せずに楽しく読み進められますが、「長い」と感じる方もいるかもしれません。

他には、人名にしろ何にしろネーミングセンスが…うーん…かなり独特で面白くて、本筋と関係ない所でかなりツボに入って楽しめました。名前関係で言うと、割とどうでもいい登場人物で出番も少ないキャラにフルネームがあるのに、リアン兄も母もずっと後で分かるし、家族で一番出番のあったリアン父は最後まで名前が分からず、終始「リアン父」で済まされるという…微妙な扱いの違いも地味に笑えました。